はなはな歳時記 ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ 紫陽花画集

花といえばふつう桜の花をいう。花見といえば桜である。しかし「花とは桜をいへど、ただおしなべて千草万木のうへにもわたり侍る」(『山の井』北村季吟季寄せ)や、「花といふことは桜の事ながら、都而春花を言ふ」(『白冊子』服部土芳、俳論集)とあるように、花は桜でありながら、春の花一般であるということになる。
花に寄せる日本人の思いは深く「花吹雪」「飛花」「落花」「花屑」「花の塵」「花埃」と、散るさまを賞でるとともに、地上に散り敷く花片にも心を通わせている。

―― 新撰俳句歳時記(明治書院)より


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