はなはな歳時記 ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ 紫陽花画集 

 

       

カラー ( Calla: Zantedeschia aethiopica )

サトイモ科ザンテデスキア属の花。学名のZantedeschiaは、イタリアの植物学者 Zantedeschi (ザンテデスキ:1773-1846)の名前にちなむものです。英名Callaは、ギリシャ語で「美」という意味を持つ「カロス」に由来すると言われています。aethiopica が「エチオピアの」を意味するとおり、アフリカ原産の植物です。

くるりと巻いたメガホンのような珍しい形ですが、花はメガホン状のところではなく、内側の黄色い棒の部分です。ここに小花が密生しており、これを肉穂花序(にくすいかじょ)といいます。メガホン状の部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれ、中の花を守っています。仏炎苞はサトイモ科植物の特徴で、サトイモ科の仲間としては尾瀬のシンボルとして有名なミズバショウ、以前に掲示板で話題になった浦島草・蝮草などがあります。

日本には江戸末期にオランダから渡来し、「オランダカイウ」という和名があります。「カイウ」とは「海芋」、海を渡ってきた里芋ということですね。なんとなくユーモラスで、よしよし、よく遠いところをやってきた、となでてやりたいような気がします(笑)。

白のほかピンクや黄色いものもありますが、白いカラーは湿地性なのに対して、ピンクや黄色のカラーは畑地性で水はけのよい土壌を好むという違いがあります。

同じ季節の紫陽花や花菖蒲に比べると、カラーの名所というのはあまり聞きませんが、鎌倉の長谷寺・三鷹市大沢の湿性花園などでカラーの群生が見られるそうです。また、台湾在住の方からお知らせいただいたのですが、台北の北郊にある国家公園(日本で言う国立公園?)陽明山では、その谷間にある元カルデラ湖の土地を利用して大規模なカラーの栽培をしているそうです。シーズンには「海芋季」というフェスティバルが開かれ、観光客がカラーの摘み取り(但し有料:日本の梨狩や苺摘みと同じシステムか?)も出来るとか・・・もっとも、摘み取りに失敗してバランスを崩すと、沼地にズブズブとはまってしまう危険があるそうです(怖)。

 

「かわせみイラストクイズ」その他、紫陽花さんの作品 ⇒ 「御宿かわせみの世界」作品館

「かわせみ」物語をテーマにした、はなはなさんの作品 ⇒ 「はいくりんぐ」 ⇒ 大川端で五七五」
※はなはなさん始め「かわせみ」ご常連皆さんの作品は「みんな大好き五七五」に収録されています

はなはなさんのお能に関する句とエッセイ ⇒ 「お能『妄想』日記」

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