はなはな歳時記 ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ のばら画集


春蘭
 (Cymbidium goeringii)

蘭の種類「シンビジウム」という名はよく聞くようになりましたが、もともと「ボートのような形の」という意味で、花の形からそう呼ばれるようになったそうです。

春の蘭は、秋の菊とともに、美しい花の代表として古来より愛され、「春蘭秋菊倶に廃すべからず」―それぞれの良さ美しさは甲乙つけがたく、どちらも捨てがたい―という意味の諺もあるそうです。

菊にも品評会に出品される大輪の豪華な菊から、人里離れた土地にひっそりと咲く野菊まで、いろいろあるように、シンビジウムもフラワーショップのウィンドウに女王のごとく君臨する高価な鉢ものもあれば、山野に自生するこのシュンランのように、控えめながら可憐な乙女の風情で魅せるものもあるのですね。

能登半島の山田川上流域では、自生するシュンランを中心にした自然を守る運動と連動した村おこし活動を行っているそうです。「皆が少年時代にもどれる故郷を」をテーマに米や野菜作り体験・きのこ採り・川釣りなどで自然を楽しんだ後、きのこや山菜たっぷりの料理を輪島塗のお椀で頂くのだとか。「春蘭の里」という清酒も作られているそうです。


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