「六月は真紅の薔薇」
「六月は真紅の薔薇」は、新聞記者出身の作家三好徹さんが昭和49−50年に週刊誌に連載した歴史小説で、新選組の沖田総司を主人公とし、彼自身が語り手となる形で新選組が京に上ってから彼が江戸に戻って病死するまでを描いています。今のような若者の新選組ブームが起こる前の作品ですが、司馬遼太郎の「燃えよ剣」と並び新選組入門テキストとして広く読まれているようです。
タイトルの「六月は真紅の薔薇」とは、60年安保闘争の中で若者達が愛唱した作者不詳の詩の一節とのこと。そしてこの闘争のデモの中で大学生樺美智子さんが亡くなったのが昭和35年6月15日のことでした。三好さんはこの日のことを「戦後の青春の終りを告げる日でもあった」と後書きで述べています。本作品も、青春の命を燃やす若者たちへの時代を超えたオマージュとして書かれたものと思われます。
そして60年の安保闘争の頃にはまだ生まれていなかった世代の、のばらさんとはなはなさんのコラボで、このページが生まれました。
「私的には沖田のイメージは真紅じゃないんですが」とおっしゃるはなはなさん。事前に相談したわけでは全くないのに、のばらさんの薔薇も真紅というよりはオレンジでもありピンクがかってもいるような微妙な色合い、2人の息はいつもながらぴったり。また、はなはなさんとしては「どうも美形な沖田というのはしっくりこなくて…彼の容姿ではなく、生きかたみたいなのが詠めたらいいな」ということでしたが、これも皆様うなずかれるのではないでしょうか。
というわけで、今回はちょっと裏話になってしまいましたが、休日もなく湿気や急な暑さで疲れの出やすい6月、紅の薔薇でひとときのリフレッシュをどうぞ。
ちなみに、「歳時記・画集」が始まって1年半、はなはなさんの句も今回で50句を越えました。100句をめざし頑張っていきます!
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