二人静(ふたりしずか)
山野の林下に生えるセンリョウ(千両)科の多年草。春に小さな白い花をつけますが、花弁はなく三本の雄しべが丸く子房を取り巻いています。
同じセンリョウ科の「一人静」は花穂が一本なのに対し、花穂が二本以上あるところから「二人静」と言われます。
「一人静」「二人静」の「静」とは、源義経に愛された静御前に由来する名です。吉野で源頼朝に捕えられた静御前が鎌倉の鶴岡八幡宮で義経を慕う歌を歌いながら舞を舞うエピソードは有名ですが、なぜ「二人」静? これは、お能に「二人静」というのがあり、吉野・勝手神社に奉仕する里の菜摘女(なつみおんな)が、静の亡霊と寄り添って舞う、その様子に似ているということから命名されたのだそうです。
「二人静」というお菓子もあります。名古屋の両口屋是清というお店で売っているもので、薄い和紙に紅白の小さな和菓子が一緒に包まれているものです。
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