富 く じ の 思 い 出

by すみれ

皆様も富くじを買われますか?それで、末等以外の当たりをしたことありますか? ひ・み・つ、かな?
エヘヘ、実は・・・聞いてくださいな

ある年の夏のこと、爺ちゃんが軍資金を出し、実際に富くじを買いに行ったのは私。
その年は春からこっち我が家は悪いことばかりが続いて、息子が病気するし、婆ちゃんは転んで太ももを骨折する大怪我するし、景気は悪いしで、家族皆、毎日くさくさしていたのです。
こんなに悪いことばかり続く時は、かえって富くじを買うと当たるかも・・・って、爺ちゃんが言いだしたのです。じゃぁ、お払いがわりに買うかって、話がまとまったって訳。

連番で何組か買って神棚にお供えしておきました。
そして、抽選日。番号を確かめていた爺ちゃん「残念だったなぁ、かすっとった。」
ええっ!どれどれ
「一等の組はこれじゃないよ、爺ちゃん。やっぱり、いつもと同じで末等の当たりだけだよね」
「そうか・・番号がよう似ておったけどなぁ・・」
どれどれ
此の時、くじは10枚毎に袋に入ったままで見えるのは一番上の番号だけ。
開けて10枚をひろげて、えーっと、拾何万何千何百・・!?何十何番!!!一緒だよ!!!これって一等の組違い当たりだ!!!

嬉しい・・けれど残念・・・複雑な気持ち。組も一緒だったら億万だったのに、十万だけ?か・・・。

それでも我が家では今までで一番の当たりには違いないぞ。
やったね!爺ちゃんの言ったとおりになったよ。
その晩は爺ちゃんを囲んでささやかにお祝いしましたよ。乾杯!

数日後、貰ってきました。売り場ではなくて、銀行の窓口で当選金をもらうのです。一応、高額の部類に入っているので・・・、晴れがましいような恥ずかしいようなくすぐったい気持ちでしたね。
銀行の係りの人も「いやー、残念でしたね。でもよかったですね。ドキドキしたでしょ?」だって。
当選金は爺ちゃんが半分を分けてくれました。二人の合わせ技だ、ってことね♪

今思うに、あの時が、我が家が一等に限りなく近づいた機会だったのでしょう。
その後は毎回末等だけで、トホホです。次回は何十年後になるのか、まるでハレー彗星みたいだ・・・

なぁーんだ。私はもっと高額の当たりくじ当てたことあるよ、ですか?はい、おそまつ様でした。


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