スモウアシコシ

   〜 宍道湖七珍のおはなし 〜

by ふみきり  

ヒロチャンが掲示板に「スモウアシコシ」ってな〜んだ ってクイズ出しておられ、結構皆さま悩んでおられたので、私ふみきりより少しお話することにしました。

まず、スモウアシコシとは、宍道湖で獲れる魚介の代表的なものです。
なぜ七つなのかは調査不足。元は鴨を加えた八つだともいわれます。でも七草のように七のほうが響きがいいからかもしれません。

では、本題。七珍とは、スズキ・モロゲエビ・ウナギ・アマサギ・シラウオ・コイ・シジミです。
アマサギは一般的なワカサギと同じです。汽水か淡水かで呼び方が違うようです。
シラウオは他地方のシロウオとは寸法が違います。
シジミは大和シジミです。

 

主な食し方

ズキ・・・奉書焼き。

薄塩で奉書紙と蓮の葉に包んで蒸し焼きにしたもの。少しお値段が張ります。
元は普通に焼いていたものを、不昧公に献上するために奉書に包んだといわれています。
   
     
ロゲエビ・・・殻が柔らかなエビ。

主にから揚げ。6〜9月が旬です。

   
     
    ナギ・・・これは皆さまご存知の通り、蒲焼・うざくなど。
松江では「きらず蒸し」といって、きらず(おからのこと)を上にかぶせて蒸して食べる料理がありますが、私は食べたことがありません。残念。
     
マサギ・・・主に照り焼き・から揚げ・
天ぷらで。
10月〜春
   
     
    ラウオ・・・湯引きして酢味噌和え・天ぷら・卵とじ。私は卵とじが好きです。幼稚園の時お弁当に入れてもらっていました。
解禁日があり、冬の季節には、おそば屋さんやおうどん屋さんで「天ぷらそば・うどん」を頼むとシラウオの天ぷらが乗っている店があり、いつもより幸せな気持ちになります。
     
・・・主に糸作り・鯉こく。糸作りをご存知ですか? 鯉や鮒を細い刺身にして、それに湯引きした魚の卵(オレンジ色できれい)をまぶしてものです。
私はお皿の醤油を少しにして刺身から落ちた卵と醤油を熱いご飯に混ぜて食べるのが好きです。
   
(あまりお行儀よくない)    
    ジミ・・・お味噌汁・おすまし・酒蒸し・佃煮。
松江の代表です。四時間水にかして砂を吐かせ、洗ってから一度冷凍するとうまみが増します。一度してみてください。お汁にするときは冷凍のまま沸騰したお湯のおなべに入れます。そのうちパチッパチッとはぜる音が聞えますよ。
気になる人は途中であくを取ってね。

 

以上ふみきりの愛する松江の宍道湖七珍料理についてつづってみました。
湖内の生態系を調べている小学校や、七珍を使った新しいメニューのコンクールなどもあります。
私が「スモウアシコシ」と覚えたのは結構最近で、全部ばらばらに覚えていました。子供や観光客の方々にはインパクトがあって覚えやすくてよいと思います。

ただ、全国ネットのニュースや新聞でご存知の方があるかもしれませんが、つい最近まで宍道湖と中海を淡水化することになっており、三十年以上揉めていました。淡水化をすることで、ある島の水源が確保できるなど、必要があるのは確かなのですが、宍道湖が汽水湖であることで他所とは違う魚介に恵まれているのも又確かなのです。
難しい問題で私にはよくわかりませんが、いつの日にも松江七珍料理が食べられて、皆さまをお誘いできる日々が続くといいなぁと思います。

では、次は「ぼてぼて茶」かな「和菓子」かな「出雲そば」かな?でお会いしましょう。

背景画像: 篆刻素材 葵

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