ヒュアキントスは絶世の美少年でアポロンのお気に入りだったのですが、西風の精ゼピュロスが美しいヒュアキントスに横恋慕をしました。
あるとき、円盤投げを愉しんでいたアポロンとヒュアキントスに嫉妬したゼピュロスは、ひときわ強く西風を吹かせたのでしょう、アポロンの投げた円盤が額に当たってヒュアキントスは命を失ってしまいます。
倒れたヒュアキントスを抱きしめるアポロンの目の前で、ヒュアキントスが流した血は花に姿を変え、あたりに咲き乱れます。
アポロンはその花に「Ai、Ai」(悲しい)と刻んで、春になる度に咲くその花に、愛した少年を忘れなかったのだといいます。
それがヒアシンスだと言われています。
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ギリシア神話にはここまでしか書かれていないのですが
(↑にはかなり妄想が入ってますが)、ゼピュロスはどんな気持ちで居たでしょうか。そしてヒュアキントスは?
あたたかな西風に包まれてヒアシンスは日ごとにつぼみをふくらませ、薫り高い花を咲かせます。
「風を信じる子」とも書くヒアシンス、
もしかしたらヒュアキントスはゼピュロスにも淡い思いを抱いたかもしれません。
素晴らしい男たちに愛されて、ヒュアキントスはその美しさを磨いたのかもしれませんね。
(はなはな)