はなはな歳時記 ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ のばら画集

 

       

イラスト作者より:

12月の半ばに近隣の町に立ち寄った時、偶然その町の通りで街路樹を飾ったイルミネーションを見ることが出来ました。今住んでいる町にはそういう所はないのでとってもワクワクしました。そのときの風景をもとに描いてみました。
街路灯は実際にこういう形の物でした。描いたときはそうも思わなかったのですが、明治のハイカラな雰囲気にも重なってちょうどよかったかもしれません。
冬の寒い夜の灯を見上げる、夏の花火とはまた違っていて好きです。


俳句作者より:

◆見おくりし生命の列かイルミネーション◆
生命を星に例えるように、地上に降りた星のようなイルミネーションを連綿と続くいのちの営みに例えてみました。
明治編への追悼の意味も込めて。

◆風に散る街の灯おぼろ夜深き◆
風の強い夜の光はよけいまたたいて見えますね。
人の存在を感じさせる街の灯は夜をかえって深めるような気がします。

◆雪虫の軌跡かなしく立ち竦む◆
雪虫、または綿虫は雪の降る頃、綿のような繊維に身を包んで飛ぶアリマキの一種だそうで、北国では雪虫というとか。
違う虫を雪虫という場合があるのであいまいな言葉でもあるのですが、雪を連れてくるという虫の飛ぶ様子が雪に降り込められる冬の到来を感じさせて胸を衝かれる、というような意味です。

◆初鏡わたしに微笑み紅をさす◆
口紅をさすときに微笑むようにして鏡に見入る、そんな情景は女性なら経験がおありだろうと思います。
新年の化粧はそんな行為にも新鮮さを感じる、自分の存在を寿ぐ、というような気持ちを込めて。

◆凍蜂の陽だまりに居るひとりかな◆
冬の蜂は暖かい日なたにいて鈍くうごめいて生命のしぶとさを感じさせます。
孤高の強さが似合うそんな冬の情景を切り取りたいと思いました。

 

「かわせみイラストクイズ」その他、紫陽花さんの作品 ⇒ 「御宿かわせみの世界」作品館

「かわせみ」物語をテーマにした、はなはなさんの作品 ⇒ 「はいくりんぐ」 ⇒ 大川端で五七五」
※はなはなさん始め「かわせみ」ご常連皆さんの作品は「みんな大好き五七五」に収録されています

はなはなさんのお能に関する句とエッセイ ⇒ 「お能『妄想』日記」

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