はなはな歳時記 ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ 紫陽花画集
 

       

アネモネ

花屋の店先にこの花が出回るようになると、街中がぱっと華やかになり、いよいよ本格的な春の到来と気持ちも浮き立つような感じになりますね。
赤・ピンク・紫・青・白など、それぞれの濃淡もさまざまなカラフルな色合い、花の形も一重・八重・半八重などいろいろありますが、花びらのように見えるのは、実は萼(がく)なのだそうです。
花の中心にある黒や緑の大きな輪のような部分も特徴的で、これは多数の雄しべと「柱頭」です。

以前の歳時記画集で、「ヒュアキントス(ヒヤシンス)」の時、太陽神アポロンの寵愛する美少年に西風の神ゼピュロスが横恋慕をしたという話がありましたが、アネモネの伝説にも、このゼピュロスが登場するのです。
ゼピュロスには花の女神であるフローラという妻がいるのですが、フローラの侍女アネモネを愛してしまったために、フローラの怒りを買い、結局アネモネを花の姿に変えなければならなくなった、というお話。

もう一つ別の伝説もあり、こちらのほうが日本ではよく知られているのではないかと思いますが、それは美の女神アフロディテ(ヴィーナス)の愛した美青年アドニスのお話です。
アフロディテにはもともと軍神アレス(マルス)という愛人がいたのですが、息子のキューピッドがいたずらに放った矢に胸を射られた時、アドニスを一目見て彼を熱愛。

ところが、冥界の女王ペルセポネもアドニスを愛していたため、2人の女神の争いとなるのですが、アフロディテが強引にアドニスを独占しようとする事に腹を立てたペルセポネがアレスに訴えて、怒ったアレスが猪を放ち、その角にかけられたアドニスは哀れにも命を落としてしまいます。
アドニスの流した血の跡ともアフロディテの流した涙の跡とも言われているようですが、ともかくアドニスの死んだ場所からアネモネが美しい花を咲かせますが、風と共にはかなく散る様が、あたかもアドニスの美しく短い人生を思わせるのだとか・・・

どちらの伝説にしても、アネモネのイメージは風、風と共に咲き、風と共に散る花として、英語の別名は「ウィンドフラワー」と呼ばれるそうです。

ルーベンス「アドニスとビーナス」
NYメトロポリタン美術館蔵

 

「かわせみイラストクイズ」その他、紫陽花さんの作品 ⇒ 「御宿かわせみの世界」作品館

「かわせみ」物語をテーマにした、はなはなさんの作品 ⇒ 「はいくりんぐ」 ⇒ 大川端で五七五」
※はなはなさん始め「かわせみ」ご常連皆さんの作品は「みんな大好き五七五」に収録されています

はなはなさんのお能に関する句とエッセイ ⇒ 「お能『妄想』日記」

Back        Next

Index