はなはな歳時記・紫陽花/のばら画集 百句記念アンケート 2年前に始まりました「歳時記・画集」、皆様のあたたかいご支援により、このたび、はなはなさんの句が100句を越しました。(正確には、画像の中に入っている2句を含めて、10月現在で104句です)。 これを記念して、皆様に簡単なアンケートをお願いしたいと思います。ぜひご協力ください。
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紫陽花 |
のばら |
はなはな |
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2003新春 | 椿 | 小春日和土のにほひがどこからか | 1 | |
にび色の空雪を抱えて重く居り | 2 | |||
2003早春 | カタクリ | 春はまた心張るときもの思ふとき | 3 | |
待つばかり意地張るだけの春炬燵 | 4 | |||
なずな咲くぽつぽつぽつと想ひ居る | 5 | |||
春宵の猫の背のやはらかさにおもふのは | 6 | |||
独り酔い水流し放して涙ながして | 7 | |||
2003春 | 桜 | 花のころ逝きてかえらぬひとありぬ | 8 | |
待ちかねし愛ぐし児抱きて花見上ぐ | 9 | |||
朝まだき散り敷く花を避けながら | 10 | |||
落花の路ひと足ごとの迷いあり | 11 | |||
2003初夏 | 花菖蒲 | 石の仏みどりの伽藍におわしたり | 12 | |
濃みどりのまろき葉の上アマガエル | 13 | |||
しがらきの宮居のあとののどけきに | 14 | |||
吾ひとり塔ひとりたつ夕まぐれ | 15 | |||
蝶ふわりいにしえ仏の散華かな | 16 | |||
敦盛の立てる姿に夏来る | 17 | |||
白き足袋歩むあとから夏は来ぬ | 18 | |||
2003夏 | 向日葵 | こうべ上げ暑さ集めるひまわりの花 | 19 | |
花火の日あの人の花も咲きにけり | 20 | |||
すずやかに立ち尽くしたり白桔梗 | 21 | |||
2003秋 | 秋草文様 | 月の能裾濃の衣濡れにけり | 22 | |
待つ時間萩揺れるのをただ見てる | 23 | |||
弱まりし陽射しの色のかなしくて | 24 | |||
2003冬 | 石蕗 | 梅擬おとづれなきにひとり紅 | 25 | |
日詰まりて追いかけ追いかけ夕支度 | 26 | |||
冬ほのか窓開ける朝肩を抱く | 27 | |||
2004賀正 | 屠蘇 | 千両と万両とを生けて歳を取る | 28 | |
墨を磨る白き海原わたるため | 29 | |||
ほのかなり雪の香りと梅ひとつ | 30 | |||
2004新春 | 水仙 | 冬更けて待つ身は遠く音聴けり | 31 | |
雪明り照らしているのは私の心 | 32 | |||
さめざめとただ泣くための冬木立 | 33 | |||
山眠る光の縁取りあらたなる | 34 | |||
2004早春 | スノードロップ | 抱えてるスノードロップ揺れ春の花嫁 | --- | |
すっきりとほほえみながら春待つ花 | 35 | |||
白足袋のあゆみきて知る春隣 | 36 | |||
冬陽さす窓辺の長椅子横たわる | 37 | |||
2004仲春 | 二人静 | ひとり居て二人静の揺れる夜 | 38 | |
淡き紅ひく手の寒き浅き春 | 39 | |||
すぐに春信じたき恋胸に秘め | 40 | |||
迷い消ゆ春の氷のごとくにて | 41 | |||
山はるか空との境光あり | 42 | |||
2004晩春 | チューリップ | 天を刺し鬱金香がひらきけり | 43 | |
のびのびと手を広げたき青空よ | 44 | |||
春嵐散らせぬ夢を抱きけり | 45 | |||
月朧見据えたき心あるような | 46 | |||
2004初夏1 | 鉄線 | 背伸びして貴方追いかけ風をみる | 47 | |
菖蒲切るいたみ感じるいのちかな | 48 | |||
五月闇朴の花揺れなお深く | 49 | |||
鉄線の首かしげたるかなしさよ | 50 | |||
2004初夏2 | 薔薇 | つるばらの絡みて深し花ぽつり | 51 | |
薔薇の散るはらりはらりと足早に | 52 | |||
露受けて切先のごとき花びらよ | 53 | |||
散りし薔薇両手に受けぬ吾もまた | 54 | |||
雨の中立ちすくんでゐる赤き薔薇 | 55 | |||
2004盛夏 | 真夏の香り | 鏡台の香水瓶に見つめられ | 56 | |
夏さかり選びし衣香りかけ | 57 | |||
天花粉ただひっそりと身に打ちぬ | 58 | |||
寄り添ひて香り立つ身の燃えさかる | 59 | |||
骨さぐり肌溶かす夏のにほひに | 60 | |||
2004晩夏 | 木槿 | 日ざかりにほほ染め佇む木槿かな | 61 | |
風熄んで草色褪せぬ夏果つる | 62 | |||
まろび出て眠っているような枇杷ひとつ | 63 | |||
独り寝る夜に手をのべ撫でる乳 | 64 | |||
待つ夜も訪なう夜も同じ秋 | 65 | |||
2004初秋 | 吾亦紅 | しをるれば人がいふなりカンナ立つ | 66 | |
花野ゆくうしろをかえり見る独り | 67 | |||
鬱うつと吾も染まりし吾亦紅 | 68 | |||
ほほなでて過ぎる風待ち白露過ぎ | 69 | |||
長き夜をてんてんとまどふ独りかな | 70 | |||
2004晩秋 | 紅葉 | 刺すほどの湯に温まりぬ秋冷の | 71 | |
あかあかと冬待つやまの焔かな | 72 | |||
りんごなる山里の並木かがやきて | 73 | |||
さまよいて冷えし指先紅く染め | 74 | |||
抱かれて眠る夜のさむざむしこと | 75 | |||
2004冬 | 青木 | あの庭にみのりし青木思われて | 76 | |
星流る空音もなく冴えわたり | 77 | |||
見舞いして焚火を見張る冬うらら | 78 | |||
祈りの庭にたたずんで聖夜かな | 79 | |||
2005賀正 | しづもるるやまに御生(みあ)れの歳神さま 白きころもであらたまの年を寿ぎて |
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2005早春 | 節分草 | 凍空に声なき声は吸われけり | 80 | |
明日追儺まどう心の闇見たり | 81 | |||
雪折れて果てし夢あり故郷に | 82 | |||
息絡め乳さぐる指はかじかみて | 83 | |||
なかぞらになす恋は冬のまぼろし | 84 | |||
春待ちてくるしみまさる愛かなし | 85 | |||
2005晩春 | 春蘭 | 想ふことふたつある春永の部屋 | 86 | |
ゆるゆると春の扉はひらきゆく | 87 | |||
風吹いて春着の寒さすこし泣く | 88 | |||
春朧こころの外に花は散りゆく | 89 | |||
揺れてまだ求めて足らぬ春宵の | 90 | |||
2005夏 | オオルリ | 白雨さへおぼえぬうちにあがりける | 91 | |
髪洗う明け方のすこしさみしくて | 92 | |||
心秘めのうぜんかつらの道歩く | 93 | |||
月涼し歩けばそばに月の居て | 94 | |||
たちあおい螺旋に咲いて立ち尽くす | 95 | |||
夏さかり鳥には鳥の幸ありて | 96 | |||
雲の峰青き鳥飛ぶ高みなれ | 97 | |||
2005秋 | 秋の草花 | とも寝して月満ち欠けぬその長夜 | 98 | |
たわわなり夜過ぎて残る夢のあと | 99 | |||
紅葉狩愛求(と)う鬼となりにけり | 100 | |||
秋澄みてそらへあずけるこころあり | 101 | |||
されこうべ花野に埋めん恋の果て | 102 |