はなはな歳時記・紫陽花/のばら画集 百句記念アンケート

2年前に始まりました「歳時記・画集」、皆様のあたたかいご支援により、このたび、はなはなさんの句が100句を越しました。(正確には、画像の中に入っている2句を含めて、10月現在で104句です)。

これを記念して、皆様に簡単なアンケートをお願いしたいと思います。ぜひご協力ください。

◇はなはな句104句の中から、一番お気に入りの作品を2句、選んでください。
 季節は重なってもかまいませんが、一つのページからは1句ずつということでお願いいたします。

◇紫陽花画集・のばら画集のそれぞれから、一番お気に入りのイラストを1点ずつ選んでください。

◇イラストは下の表または目次に記してあるタイトルで。
 句はお手数ですが間違いを避けるために17文字すべての記載をお願いいたします。

◇発表は11月中旬を考えております。11月6日(日)頃までにお送りいただければ幸いです。

―――S.ファロウ掲示板の画面の一番下にある「管理者へメール」からお送りください―――

歳時記・画集 目次へ

 

紫陽花

のばら

はなはな

 
2003新春 椿   小春日和土のにほひがどこからか
      にび色の空雪を抱えて重く居り
2003早春 カタクリ   春はまた心張るときもの思ふとき
      待つばかり意地張るだけの春炬燵
      なずな咲くぽつぽつぽつと想ひ居る
      春宵の猫の背のやはらかさにおもふのは
      独り酔い水流し放して涙ながして
2003春   花のころ逝きてかえらぬひとありぬ
      待ちかねし愛ぐし児抱きて花見上ぐ
      朝まだき散り敷く花を避けながら 10
      落花の路ひと足ごとの迷いあり 11
2003初夏 花菖蒲   石の仏みどりの伽藍におわしたり 12
      濃みどりのまろき葉の上アマガエル 13
      しがらきの宮居のあとののどけきに 14
      吾ひとり塔ひとりたつ夕まぐれ 15
      蝶ふわりいにしえ仏の散華かな 16
      敦盛の立てる姿に夏来る 17
      白き足袋歩むあとから夏は来ぬ 18
2003夏 向日葵   こうべ上げ暑さ集めるひまわりの花 19
      花火の日あの人の花も咲きにけり 20
      すずやかに立ち尽くしたり白桔梗 21
2003秋 秋草文様   月の能裾濃の衣濡れにけり 22
      待つ時間萩揺れるのをただ見てる 23
      弱まりし陽射しの色のかなしくて 24
2003冬 石蕗   梅擬おとづれなきにひとり紅 25
      日詰まりて追いかけ追いかけ夕支度 26
      冬ほのか窓開ける朝肩を抱く 27
2004賀正   屠蘇 千両と万両とを生けて歳を取る 28
      墨を磨る白き海原わたるため 29
      ほのかなり雪の香りと梅ひとつ 30
2004新春   水仙 冬更けて待つ身は遠く音聴けり 31
      雪明り照らしているのは私の心 32
      さめざめとただ泣くための冬木立 33
      山眠る光の縁取りあらたなる 34
2004早春 スノードロップ   抱えてるスノードロップ揺れ春の花嫁 ---
      すっきりとほほえみながら春待つ花 35
      白足袋のあゆみきて知る春隣 36
      冬陽さす窓辺の長椅子横たわる 37
2004仲春 二人静   ひとり居て二人静の揺れる夜 38
      淡き紅ひく手の寒き浅き春 39
      すぐに春信じたき恋胸に秘め 40
      迷い消ゆ春の氷のごとくにて 41
      山はるか空との境光あり 42
2004晩春 チューリップ   天を刺し鬱金香がひらきけり 43
      のびのびと手を広げたき青空よ 44
      春嵐散らせぬ夢を抱きけり 45
      月朧見据えたき心あるような 46
2004初夏1   鉄線 背伸びして貴方追いかけ風をみる 47
      菖蒲切るいたみ感じるいのちかな 48
      五月闇朴の花揺れなお深く 49
      鉄線の首かしげたるかなしさよ 50
2004初夏2   薔薇 つるばらの絡みて深し花ぽつり 51
      薔薇の散るはらりはらりと足早に 52
      露受けて切先のごとき花びらよ 53
      散りし薔薇両手に受けぬ吾もまた 54
      雨の中立ちすくんでゐる赤き薔薇 55
2004盛夏   真夏の香り 鏡台の香水瓶に見つめられ 56
      夏さかり選びし衣香りかけ 57
      天花粉ただひっそりと身に打ちぬ 58
      寄り添ひて香り立つ身の燃えさかる 59
      骨さぐり肌溶かす夏のにほひに 60
2004晩夏 木槿   日ざかりにほほ染め佇む木槿かな 61
      風熄んで草色褪せぬ夏果つる 62
      まろび出て眠っているような枇杷ひとつ 63
      独り寝る夜に手をのべ撫でる乳 64
      待つ夜も訪なう夜も同じ秋 65
2004初秋 吾亦紅   しをるれば人がいふなりカンナ立つ 66
      花野ゆくうしろをかえり見る独り 67
      鬱うつと吾も染まりし吾亦紅 68
      ほほなでて過ぎる風待ち白露過ぎ 69
      長き夜をてんてんとまどふ独りかな 70
2004晩秋 紅葉   刺すほどの湯に温まりぬ秋冷の 71
      あかあかと冬待つやまの焔かな 72
      りんごなる山里の並木かがやきて 73
      さまよいて冷えし指先紅く染め 74
      抱かれて眠る夜のさむざむしこと 75
2004冬 青木   あの庭にみのりし青木思われて 76
      星流る空音もなく冴えわたり 77
      見舞いして焚火を見張る冬うらら 78
      祈りの庭にたたずんで聖夜かな 79
2005賀正     しづもるるやまに御生(みあ)れの歳神さま
白きころもであらたまの年を寿ぎて
---
2005早春 節分草   凍空に声なき声は吸われけり 80
      明日追儺まどう心の闇見たり 81
      雪折れて果てし夢あり故郷に 82
      息絡め乳さぐる指はかじかみて 83
      なかぞらになす恋は冬のまぼろし 84
      春待ちてくるしみまさる愛かなし 85
2005晩春   春蘭 想ふことふたつある春永の部屋 86
      ゆるゆると春の扉はひらきゆく 87
      風吹いて春着の寒さすこし泣く 88
      春朧こころの外に花は散りゆく 89
      揺れてまだ求めて足らぬ春宵の 90
2005夏   オオルリ 白雨さへおぼえぬうちにあがりける 91
      髪洗う明け方のすこしさみしくて 92
      心秘めのうぜんかつらの道歩く 93
      月涼し歩けばそばに月の居て 94
      たちあおい螺旋に咲いて立ち尽くす 95
      夏さかり鳥には鳥の幸ありて 96
      雲の峰青き鳥飛ぶ高みなれ 97
2005秋   秋の草花 とも寝して月満ち欠けぬその長夜 98
      たわわなり夜過ぎて残る夢のあと 99
      紅葉狩愛求(と)う鬼となりにけり 100
      秋澄みてそらへあずけるこころあり 101
      されこうべ花野に埋めん恋の果て 102

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